EUでは、環境に調和した畜産への意識が着実に高まり、いわゆるエコ農家の登録件数は、年率10%で増え続けています。このような手法の畜産は、環境を保全する以外にも、優れた効果をもたらします。
環境に調和した養牛とは?
エコ畜産は、家畜が十分に広い良好な環境で育つように配慮がなされます。牛舎では牛1頭あたり6平方メートル、放牧場ではさらに4.5平方メートルが確保されます。放牧場では悪天候から身を守るための小屋などのシェルターも設けられます。設備についても、このほか、適切な照明と換気、天然の敷料で牛床を整えること、水をいつでも飲めるような配慮などが、規制により求められています。
環境と調和した養牛を営むためには、農業で排出される硝酸塩による水汚染を防ぐためのEU硝酸指令を、農家が正しく理解しなければなりません。農地1ヘクタールあたりに投入される天然肥料の窒素量ははっきりと定められており、この面積では牛は2頭、子牛は5頭、雌豚は7頭、肥育豚は14頭、卵用鶏は230羽、馬は2頭、または雌兎100羽までと飼養が制限されています[1]。
エコ畜産では、放牧される牛が体が必要とする分だけの牧草を自由に食べ、健康と体力を維持するために十分な運動ができる環境を整備することが求められています。栄養不足による病気に対する牛の免疫を高めるため、牧草地では、イネ科植物が65%、マメ科植物25%、ハーブと雑草は20%までに保つのが望ましいとされています。
エコ畜産がもたらす効果
環境と調和した養牛は、ヘクタール単位の助成金、販路拡大、生体の高価格化といった農家への直接的な便益だけではなく、社会全体に恩恵をもたらします。化学肥料や農薬を大量に使用する従来型農業と比べて、土壌への負担を抑えることができます。環境に優しいエコ畜産では、健康に良い食肉を持続的に生産できます[2]。
[1] https://organic24.pl/blog/pelen-wypas
[2] https://www.tygodnik-rolniczy.pl/zwierzeta/jakie-sa-wady-i-zalety-prowadzenia-ekologicznej-hodowli-bydla-miesnego-2383251