今年も香港貿易発展局(HKTDC)が主催した世界有数の食品見本市「美食商貿博覧(フードエキスポPRO)」が大盛況のうちに閉幕しました。今回は、30か国から1860社が出展し、来訪者は50万人を超えました。もちろん、ヨーロッパの牛肉輸出業者も、上質なEU産牛肉のアジア向け輸出促進キャンペーンを展開しました。
EU産牛肉は、長期戦略によるアジアでの広報努力が功を奏し、アジア市場でも注目を集めています。EUにおける牛の飼育基準、天然飼料の給餌、環境と調和した持続可能な生産体制、牛肉の安全性などについて生産業者が直に説明することで、信頼を築いてきました。アジアの消費者の間では、持続可能な発展や倫理的な生産に対する意識が高まっており、EU産牛肉の競争力はさらに強まっています。
今回の出展では、EU産牛肉をアジア市場関係者に広く紹介すると同時に、ヨーロッパの生産業者と地元輸入業者との取引関係構築が図られました。商談では主に、品質、製品認証、取引条件、物流、市場動向が話題となりました。
出展ブースには、香港のポーランド総領事としてミハウ・コウォジェイスキ氏も訪れ、EU産牛肉のアジア輸出促進に向けて、経済情勢やビジネス動向について議論に加わられました。
食肉業界関係者の一行は、地元の店舗も訪れ、販売される食肉の種類や形態、流通経路、包装や陳列の慣行を学びました。
EU産牛肉の販売促進・広報キャンペーンを展開するポーランド食肉産業生産業者・雇用者連合(UPEMI)による香港での出展は、アジアでの輸出市場を開拓するEUの施策の一環でもあります。現在も、EUはアジア諸国とのさらなる貿易自由化に向けた交渉を進めています。この努力が功を奏し、例えば日本と韓国の場合、EU産牛肉には特恵税率が適用され、輸出要件が緩和されています。
2024年香港フードエキスポPROは、アジア市場における取引関係を構築し、EU産牛肉に対する認知度を向上する場となりました。今回の参加により、ヨーロッパの生産業者は、健康志向が高まり、安全で環境に配慮した食品への需要が旺盛なアジア市場でシェア拡大に向けた足掛かりをつかみました。
代表団の一行は、香港市場の魅力と伸びしろを肌で感じ、輸入業者との面談から当面の課題を整理することができました。今回の展示会参加が、香港市場を中心としてEU産牛肉の輸出拡大につながるものと信じております。