牛肉の味が引き立つかどうかは、調理法に左右されます。口の中でとろけるように柔らかくしたいのか、歯ごたえをつけたいのかなどによって、調理の仕方や時間を工夫する必要がありますが、基本的には次のようなコツがあります。
- 牛肉は漬け込むと柔らかく、風味が豊かになります。
- 牛肉は叩かずに、調理法に合わせた厚さに切り分けましょう。
- 牛肉を焼きすぎると、ガムのように固くなってしまいますので、手短に火を通します。
- 牛肉を蒸すか煮る場合は、じっくりと数時間かけるとおいしく仕上がります。
各種の料理に向いている部位は?
ヨーロッパでは、腰から後部にかけての部位が好まれています。特に、ヒレ、サーロイン、そしてランプ、ソトモモなどのモモ肉が、ステーキ、肉巻き、オーブン焼きで楽しまれています。より前にある部位としては、肩ロースやリブロースが焼肉やオーブン焼きで重宝されています。その他の部位は、煮物か蒸し料理に向いています。牛肉の部位によって扱い方も変わってきます。リブロース、ヒレ、サーロインなどは繊細なので、さっとだけ火を通しますが、肩バラやウデはじっくりと調理する必要があります。
どうして牛肉が固くなってしまうの?
牛肉が固くなってしまう理由は、等級、部位、調理法が適していないなど、いくつか考えられます。おいしく仕上げるコツは、調理法はもちろんですが、肉そのものの選び方です。比較的若い牛(1歳から3歳)の肉を選びましょう。飼料も肉質を大きく左右します。牛肉を購入する際は、色沢、香り、締まり具合やきめの細かさを確認しましょう。上質の牛肉は淡い赤色の肉に淡いクリーム色の脂がのっています。焼きすぎたり、逆に蒸す時間が足りなかったりと、誤った調理をしても、肉は固まってしまいます。
牛肉を柔らかく焼き上げるには?
まず、基本として、冷蔵庫から取り出したばかりの牛肉を焼いてはいけません。まな板などの上にしばらく置いて、室温に戻してからにしましょう。牛肉は、よく熱したフライパンに乗せ、200gなら両面を2分ずつ、300gなら両面を3分ずつ、というように100gごとに時間を1分ずつ増やします。
牛肉をオーブン焼きするコツは?
牛肉は、180°C に予熱したオーブンでは、1kgごとに1~1.5時間ほど焼くのが目安とされています。オーブンの温度が低い場合は、調理時間がかなり長くなります。たとえば、80°C のオーブンでは4時間かかります。
牛肉を蒸すコツは?
牛肉を蒸す前に、いったん炒めることが鉄則です。炒めた牛肉に水、調味料を加えて、2.5時間蒸します。この段取りを守ることで、牛肉がほど良い歯ざわりに仕上がります。