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2026.05.26

新たな局面を迎えるEU産牛肉 日本向け輸出を牽引するポーランド産にも追い風 

日本市場は、EUにとって、要求水準が高い一方で、大きな収益性が期待できる牛肉の輸出先です。EU産牛肉は、2019年2月に発効した日EU経済連携協定(EPA)により輸出が拡大しています。この協定により、関税率が段階的に引き下げられ、動物検疫関連の手続きも簡素化されてきました。その結果、ヨーロッパの生産者は、オーストラリアや米国といった従来の主要供給国に対して、価格面でも品質面でも競争力を高めることができました。さらに、EU加盟国の一部については、これまで30か月齢未満に限られていた牛の月齢制限が撤廃されつつあり、日本が牛肉加工品の受け入れにも門戸を開き始めていることも、貿易拡大の新たな追い風となっています。

2024年から2025年にかけて、EUは日本に牛肉を約1万6700トン輸出しました。この2年間の取引を分析すると、日本市場がマクロ経済環境の影響を大きく受けていたことが分かります。2024年には、円安の影響で落ち込んでいた需要が力強く回復しました。一方、2025年には、EU側の供給力不足が輸出の壁となりました。欧州委員会の公式報告およびユーロスタットの統計によると、2025年のEU全体の牛肉生産量は約631万トンと、4%以上減少しました。これによりEU域内価格が上昇し、域外市場に輸出できる余力も十数%縮小しました。こうした構造的な制約にもかかわらず、日本向け輸出で強い存在感を維持する加盟国もあります。

日本向けEU産牛肉

日本向けEU産牛肉の最大供給国は、引き続きポーランドです。その割合は7割以上に上ります。2024年には、主に冷凍牛肉を中心に約6200トンを日本に輸出しました。2025年は、生体牛の供給制約を受けたものの、約5400トンの輸出量を維持しました。第2位はアイルランドです。プレミアム牛肉のブランド力を背景に、アジア市場で強みを発揮しています。同国の日本向け輸出量は、2024年に約1100トン、2025年には約950トンとなりました。第3位はスペインで、2024年には約850トン、2025年には約700トンを日本に輸出しました。第4位は、EU最大の牛肉生産国であるフランスです。日本向け輸出量は、2024年に約450トン、2025年に約380トンでした。第5位はドイツで、2024年の輸出量は約300トンでしたが、国内全体でと畜頭数が減少した影響により、2025年には約240トンに減少しました。

日本の動物検疫制度では、EU加盟国であっても各国を一律には扱わず、国ごとに個別に審査・承認しています。輸出が認められる国の一覧や、それぞれに適用される衛生条件も、二国間協議を通じてのみ変更されます。日本へ向けて、牛肉を月齢制限なしで輸出できる国は、ごく限られています。2026年4月までは、EU加盟国の中で牛の月齢制限の完全撤廃を交渉・実現していたのは、2019年5月から認められていたアイルランドだけでした。そこに、2026年4月14日からポーランドが正式に加わり、EU加盟国ではアイルランドに次ぐ2例目となりました。フランス、ドイツ、スペイン、デンマーク、オランダ、イタリア、オーストリアなど、EUの他の主要輸出国も日本向け輸出の認可は受けていますが、輸出できるのは、現在も30か月齢未満の牛の肉に限られています。

輸出を牽引するポーランド

これまでポーランド産牛肉の日本向け輸出は、2014年8月に定められた厳格な条件に基づいて行われてきました。10年以上にわたり、ポーランドの輸出業者には、30か月齢を超える牛の肉を輸出できないという大きな制約が課せられていました。現在のポーランド畜産は厳格な管理体制のもとにあります。その実態を踏まえると、この規定はすでに時代にそぐわないものとなっており、長年にわたりポーランド産牛肉の輸出拡大の足かせとなってきました。今回の日本・ポーランド間の新たな合意により、この月齢制限は撤廃されました。

4月の合意におけるもう一つの大きな柱は、ポーランド産の牛肉加工品についても、日本向け輸出が正式に認められたことです。これまでポーランドから日本向けに輸出できたのは、ほぼ生鮮または冷凍の枝肉・部分肉に限られていました。そのため、ポーランドは、付加価値の限られた原料供給国という位置づけにとどまっていました。今後は、惣菜製品、加熱加工品、外食・業務用向けの専門的な半製品などの輸出が可能になります。これにより、ポーランドの食肉加工施設は、より高い収益性が見込める市場セグメントへ参入できるようになります。

出典:

https://agriculture.ec.europa.eu/data-and-analysis/markets/overviews/market-observatories/meat_en

https://www.gov.pl/web/rolnictwo/sukces-w-japonii-wiecej-polskiej-wolowiny-i-produktow-przetworzonych-na-jednym-z-najtrudniejszych-rynkow-swiata

https://www.gov.pl/web/rolnictwo/minister-stefan-krajewski-japonia-jeszcze-bardziej-otwarta-na-polskie-mieso

https://www.wetgiw.gov.pl/main/aktualnosci/Aktualizacja-warunkow-eksportu-wolowiny-na-rynek-japonski/idn:3151

https://www.gov.pl/web/kowr/polska-na-targach-foodex-japan-2026

https://www.topagrar.pl/articles/bydlo-miesne/japonia-szerzej-otwiera-sie-na-polska-wolowine-eksport-przyspieszy-2668391

https://www.agrofakt.pl/eksport-wolowiny-do-japonii-rosnie-znika-kluczowa-bariera/


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