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日本の農家では、主に在来種である和牛が飼養されています。飼養頭数では、その次に交雑種、そしてホルスタイン・フリーシアンが続きます。

日本は牛肉と関連製品を完全に自給することができません。国内の年間生産量47万トンに対し、需要量は132万トン前後で推移しています。したがって、日本は年間約85万トンの牛肉と関連製品を輸入に頼っています。

ポーランドからの輸出

日本は、月齢30以下の牛の正肉と内臓肉を、ポーランドから輸入することを認めています。2019年2月に日本・EU経済連携協定が発効したものの、これら製品の輸出は、ポーランドと日本の保健当局が二国間で取り決めた条件と文書手続きにしたがう必要があります。

日本市場向けに牛肉を輸出する業者は、いわゆる輸出証明プログラム(英:Export Verification Programme – EVP)の要件を満たす必要があります。

2020年11月30日現在、日本市場向けに牛肉と関連製品の輸出を認められている業者としては28社が登録されており、うち19社は屠畜場を経営しています。

関税

日本・EU経済連携協定の締結後、次の関税率が適用されています:

表1 – EU加盟国に適用される関税率

*協定発効から15年後にあたる2034年

品目コード(CN)0202
一般税率38.5
現行税率25.8%
目標税率*9%

輸出量1

ポーランドを含めてEUは、日本と地理的に離れているため、生鮮の牛肉(CN 0201)のかわりに冷凍された正肉と内臓肉を主に輸出しています。

日本向けにEUから輸出されている冷凍肉(CN 0202)について、2017年から2019年にかけての国別輸出量(トン)の変化は次の通りです:

表2 – EU加盟国別輸出量 (CN 0202)

輸出国201720182019
オーストリア1910
デンマーク511250
フランス29413
アイルランド6674813
イタリア373746
オランダ744127
ポーランド8436412,491
EU合計1,1008283,459
輸出国201720182019
ポーランド628823856
アイルランド1,1937661,507
イタリア154198348
オランダ351296350
オーストリア73220
デンマーク16996151
フランス1184556
EU合計2,7152,2962,296

ポーランドはEU最大の日本市場向け冷凍牛肉輸出国であり、その輸出高はEU全体の70%を超えています。また、上記期間で日本への輸出量は貿易相手国全体の中で20位、21位、7位と推移しています。

日本は牛内臓肉の輸入国でもあります。この製品(CN 020610、CN 020621-29)について、2017年から2019年にかけてのEUからの輸出量(トン)は次の通りです:

表3 – EU加盟国別輸出量(CN 020610、CN 020521-29)

上記データが示す通り、EU産の牛内臓肉の輸出量は牛肉輸出量を2017年から2019年を通して上回っています。しかし、ポーランドに限定すれば、冷凍牛肉(CN 0202)の輸出がより盛んであり、2019年には輸出量が大幅に伸びています。

米国農務省海外農業局は、日本での牛肉消費量は2019年に若干下落(2%)した後、2020年に1.3%伸びて133万6千トンにのぼると予測していました[2]。しかしながら、新型コロナウィルスの感染拡大のあおりで、東京オリンピックが予定通りに開催されず、飲食店や飲食サービス(日本の牛肉消費の60%)が営業停止に追い込まれる中、2020年の牛肉消費は落ち込むとみられています(上半期に激減、下半期に若干の持ち直し)[3]。 2020年は異例の年であり、市場の動向を判断する基準点としてはふさわしくありません。

ただ、貿易に関しては、2020年上半期について、楽観的な見通しが示されています。牛肉の合計輸入量は高い水準を維持し、2019年同期比では5%も増加しました。最も増加が大きかったのはEU産牛肉で、何と602%もの伸びを記録しました[4]

米国農務省によれば4、日本の牛肉輸入量は2021年も安定的に85万5千トン程度で推移する見込みです。これは、手頃な価格の牛肉に対する需要が根強く、市場価格の乱高下を避けるために十分な在庫が必要とされているためです。

日本は、牛肉需要のうち辛うじて三分の一程度しか自給できていないため、牛肉輸出業者にとっては、非常に魅力的な市場です。ポーランドは、品質にこだわった牛肉を買い手の要望に合わせて提供できるため、日本の消費者にも評価される見込みが高いと言えます。商習慣の違いにより、買い手候補との交渉には時間がかかるかもしれませんが、日本の顧客は売り手との長期的な信頼関係を重視し、長期契約を望む場合が多いので、最初の努力はきっと報われます。

さらに、コロナ禍により米国などでサプライチェーンが寸断され、牛肉市場が混乱する中、日本の輸入業者は仕入れ先を多角化することが予想され、ポーランドの輸出業者にとっては好機となるかもしれません。



1 欧州委員会統計データ:www.madb.europa.eu

2 米国農務省グローバル農業情報ネットワーク(GAIN)報告書「Livestock and Products Semi-annual」、2020年2月28日公表
3
米国農務省グローバル農業情報ネットワーク(GAIN)報告書「Livestock and Products Annual」、2020年8月14日公表
4 欧州委員会牛肉貿易統計データ:www.agridata.ec.europa.eu